平成28年08月29日
第72回関西広域連合委員会

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○松田一成議員
1 リニア中央新幹線の全線同時開業について

8月2日に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」では、「財政投融資の手法を積極的に活用・工夫することにより、リニア中央新幹線の全線開業を最大8年間前倒しする」との方針が打ち出されました。

当初のJR東海の計画では2027年に東京名古屋間が開業し、その18年後の2045年に全線開業の予定でしたが、今回の政府の財政支援により大阪開業は東京名古屋間の開業から10年後の2037年となる見込みです。
前倒し自体は大変喜ばしいことであり、是非、進めていただききたいと思いますが、それでもなお、名古屋開業後、10年間の空白期間が存在します。

JR東海によれば、都市部の大深度トンネルや南アルプストンネルなど高度な技術が要求される工事が複数存在する東京名古屋間の建設と並行して、名古屋大阪間の工事を進めることは、物理的に難しいとの見解を示しています。
また、大阪府の松井知事は、8月3日の記者会見で、「いつまでも同時開業と言い続けても具体的な根拠に欠ける」との発言をされています。

関西広域連合としては、関西の地盤沈下を食い止めるためにも、リニア中央新幹線の一刻も早い大阪開業を経済界とともに働きかけていかなければなりません。

そこで、関西広域連合として、今回の政府の財政支援による大阪開業前倒しに対する受け止め、これまで目指してきた東京大阪間の全線同時開業に対する方針、開業前倒しに向けた具体的提案も含めた今後の取組の方向性についてお伺いします。
○広域連合長(井戸敏三)
・広域連合としては全線同時開業を目指すということは堅持していくが、同時開業や更なる前倒しには、物理的な課題がのこされている

・現時点でJR東海と接触sておらず、また広域連合として具体的な提案があるわけではないため、情報交換できる環境づくりを進め、その過程の中で協力できることがあれば提案していく。

○松田一成議員
2 広域連合による海外事務所の一括運営について

構成団体の事務を、より効率的に処理するため、関西広域連合では、府県からの持ち寄り事務を実施しており、資格試験・免許事務においては、今回の決算でも剰余金が発生するなど、スケールメリットが徐々に発揮されてきているものと考えています。

同様の効果を生み出せる事務の1つとして、構成団体が持つ海外事務所を関西広域連合で運営することは考えられないでしょうか。

関西広域連合構成団体の海外事務所は、アメリカワシントン州に設置の兵庫県と神戸市の事務所を1つとカウントすると、6か国に計11事務所が設置されており、特に、上海には京都府、大阪府市、徳島県、神戸市による4事務所が設置されています。

例えば、各府県市からの派遣職員を広域連合の兼務職員とし、重複する海外事務所については集約した上で、各事務所を関西広域連合海外事務所と位置づけてはどうでしょうか。さらに、それぞれの海外事務所を関西広域連合の分担金で賄い、関西全体で海外事務所を一括して運営することも考えられます。

このような取組により、関西への海外投資を呼び込む、または関西企業の海外進出を支援する、あるいは、関西へのインバウンドの発信拠点とする、など、まだまだ海外での認知度が低い「関西」を広く海外に発信するための新たなチャネルを効率的・効果的・即時的に構築することが可能になると思いますが、連合長のご所見をお伺いします。
○広域連合長(井戸敏三)
・関西広域連合では、平成25年度より、兵庫県の5か所の海外事務所に「関西広域連合」の看板を併設するとともに、構成府県市設置の全11事務所において、現地情報の簡易な調査や現地訪問時アテンド等の共同利用を実施している。

・海外事務所の広域連合での一括運営については、事務の一体化の効率的な執行のみならず、関西の存在感を示して発信力を高めることが期待されるが、構成団体が事務所を設置した経緯や事務所が設置されていることにより地元との関係性が保持されている点など、設置団体と十分協議する必要がある。今後、十分メリット、デメリットを検討して協議を進めていきたい。

平成27年11月
関西広域連合議会臨時会会議録
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○松田一成議員
兵庫県議会の松田一成でございます。
最初の質問は、ポスト5年を見据えた今後の展開について質問します。
12月1日、いよいよ関西広域連合が設立されて5周年を迎えるところです。この節目に
奈良県が連合に参加し、関西が名実ともに一体となって広域的な課題に取り組む体制が整ったわけであります。今回、奈良県は、広域防災及び広域観光・文化・スポーツ、この2分野に加入し、第1ステップとして関西の府県が全て加入する意義は大変大きいものであると思います。
しかし、奈良県は、今回、連合に参加した理由の一つに、国出先機関の関西広域連合への移管が困難になり、奈良県がこれまで連合への参加を見合わせていた最大の懸案がなくなったことを挙げています。荒井知事は、奈良県議会6月定例会におきまして、結果的に関西広域連合の活動の中心が国出先機関の移転から、連携・協働に変質したことにより、今回、連合への部分参加を判断したと言われていました。
さらに、大阪のダブル選挙が間近に迫っています。松井知事、橋下市長は広域自治体のあるべき姿として、道州制を目指しておられます。このように内実はまだまだ一枚岩とはいえないものがあります。
また、地方分権改革に関する提案募集において、広域連合は、解散、脱退も可能となっ
ており、総合的な権能を持つ安定的な公共団体とはいえず、事務の実施に支障を来すとの回答が国からあったところであります。
この回答は、我々地方から見れば、国における地方分権改革に対しての理解が余りにも不足していると言わざるを得ません。5年が経過して新たなステージを迎えるこの機をとらえ、関西の一体感の醸成に努め、国内のみならず、アジアにおける関西の地位を常に意識した力強い関西を目指して、圏域づくりを進めていくことが大事だと思います。
そのためには、関西広域連合の次の5年を象徴する、骨太な柱となる取組を検討すべきです。さらに、現在の広域計画にも記載があるとおり、今後の方向として、奈良県のさらなる参加拡大や福井県及び三重県の広域連合への加入を促進し、関西全体での権能、事業執行力の強化を目指すことも重要と考えます。井戸広域連合長のご所見をお伺いしたいと思います。

○広域連合長(井戸敏三)
松田一成議員のご質問にお答えいたします。
ポスト5年を見据えた今後の展開について、ご質問いただきました。
我々としても、関西広域連合5年を経過しようとしているわけでありますので、一つの
節目を迎えたというふうに考えております。その節目に奈良県の参加も得ることができま
した。ということは、名実ともに関西が一つになった体制ができたということであろうか
と思います。だからこそ、今のようなご質問をいただいていると理解をいたしております。
広域連合をつくりました趣旨は、一つは、関西全体で取り組むべき広域事務、例えば、
広域防災などについての責任主体がない、ばらばらで取り組んでは関西全体としての推進
ができない、しかし、そのような責任主体をつくろうという広域行政上の必要性がまず一
つありました。

それから、もう一つは、国の出先機関を含めた国の権限事務を受ける受け皿としての先
回りした対応を、きちっと用意しておこうということでありました。そのような広域事務
の責任主体を都道府県の枠を超えてつくる、それから、国の事務を受ける受け皿を用意し
ておく、これが地方分権についての、今まで要請ばっかりしていた我々が、みずから行動
を国よりも先行してやることによって、地方分権の一点突破を目指そうと、こういうこと
につながるという、そういう意識で行って設立をしてきたものであります。
ご質問の中で、ご指摘の所管省庁の回答の中で、言われなき無理解の回答がございまし
たが、地方自治法の第291条の2におきまして、都道府県の加入する広域連合の長は、
その議会の議決を得て、国の行政機関の長に対し、当該広域連合の事務に密接に関連する
国の行政機関の長の権限に属する事務の一部を、当該広域連合が処理することとするよう
要請することができると、地方自治法に府県域を越える広域連合についての権能の一つと
して要請権を明確に書いてあるわけで、規定されているわけであります。この規定もきっ
とご存じなかったのではないかなというふうに私自身は思っております。
ただ、この認識自身が今の国の実情であると理解したほうがいいのではないかと考えま
すので、我々自身も実績を重ね、府県民の理解も得ながら存在意義を示していく必要があ
ると改めて感じているものでございます。

今後とも関西広域連合は、関西全体の共通利益、共通目標の推進の主体であらねばなり
ません。さらなる広域事務のあり方や関西の指令塔的機能を果たすあり方などを検討を深
めていきたいと考えます。
また、福井県や三重県を含む経済圏を考えてみますと、非常に広域経済圏を持っている
わけでありますので、それに対する対応も検討していきたいと考えます。いずれにしまし
ても、関西全体の広域行政を担う責任主体としての役割を十全に果たすべく努力をいたし
てまいりたいと考えております。どうぞよろしくご指導とご協力をお願いいたします。

○松田一成議員
今、連合長がおっしゃいましたように、国が知らないのであればしっ
かり教える、そしてまた、国から二度とこういうふうに安定していないというようなこと
を言われないように、そしてまた、言わせないという認知度も踏まえた努力を、これから
次の5年に向けてやっていかないと。まだまだあんなのを聞いていると関西広域連合の存在価値がどうなのかなというふうに、府県民の皆さんは思ってくると思うんです。しっかり我々も頑張りますので、よろしくお願いをしたいと思います。

先ほど、そういう意味で、次の5年を象徴する骨太の柱となる取組ということを、検討
してはどうかということで質問させていただきましたけれども、その中で、一つは、防災
庁の関西への設置について質問をさせていただきたいと思いますが、8月に最終報告がなされた関西圏域の展望研究報告書では、関西へ防災庁を創設すべしとの提案がなされています。現在の国の体制は、内閣府に防災担当が置かれているものの、関連組織が各省庁に分かれて発災時に十分な連携や迅速な対応が本当にできるのかどうか、こういうことが疑問視されています。また、人材育成面でも不安が残ります。内閣府を中心とする防災部局は、各省庁からの出向者によって構成されておりまして、数年で職員が異動する、こういうこともあります。こういうことでは、ノウハウを蓄積、防災のスペシャリストの育成は非常に難しいのではないかな、このようにも思います。これらの課題を解決するために、指揮命令が統一された防災を専門とする単一の組織の設置が必要ではないかというふうに思います。

そして、設置場所は国土の双眼構造の構築、地方創生、成長戦略の観点からも関西への立地が望ましいと考えます。20年前の阪神淡路大震災を経験した我々関西は、その復旧・復興の過程で得た経験と次の災害への備えのための知見が数多く蓄積をされています。そして、南海トラフ地震発生時には、現地本部として指令塔機能を発揮することも可能になります。広域連合では、これまで首都機能のバックアップ構造構築について提言を行ってまいりましたが、その具体的な取組の初めの一歩として、この防災庁の設置を提言すべきです。

さらに、単に設置を要望するだけではなくて、関西みずから防災庁に集約される機能や、そしてまた、規模、こういうことを具体的に検討、そしてまた、提案をして、実現に向けたプログラムを示す必要があると思いますが、ご所見をお伺いします。

○広域連合長(井戸敏三) 関西圏域の展望研究報告書では、国土の双眼構造を実現す
る関西を一つの基本コンセプトにしておりますけれども、その中で、阪神淡路大震災の経
験を踏まえた研究と対処の蓄積、ご指摘がありました。また、東日本大震災における関西
広域連合によるカウンターパート方式などの支援の実態など、防災に関する多くの蓄積が
あることを考慮して、関西と東京、双方に防災庁を置くことが提言されております。
また、関西経済連合会が、西日本危機管理総合庁の創設を提言されています。ひょうご
震災記念21世紀研究機構も国難に対処できる、危機管理組織に関する研究会を設置して、
複合災害対策の充実や、省庁間、地方自治体間の連携強化、防災の人材育成などの論点か
ら、中央省庁レベルでの抜本的な組織体制の見直し、あるいは、人材の養成、ノウハウの
蓄積などについての研究を進めておられます。

そのような意味で、関西に防災庁や防災拠点をつくるということについての機運が高ま
っているのではないかと思われますが、中央省庁におきましては、今回の国家機関の地方
移転では、危機管理機関は地方に出さないというふうに木で鼻をくくったような回答をさ
れておられるわけです。これは、30年のうちに70%、つまり、南海トラフと同じ確率で首
都直下型地震が起こるということを踏まえられたときに、その首都直下型地震対応は関東
圏だけでできるんだというふうに想定されて、そして、それに対応する対応ならば別段、
関西に防災庁や防災機能を、危機管理機能を置かなくてもいいんだと、こういう決めつけ
なんだろうと思いますが、東日本大震災を経験した今となってみますと、想定外を想定し
ておかないということでいいのかということが逆に問われているわけでありますので、そ
のような意味で、私たちは防災拠点の関西での設置について、強くこれからも働きかけて
いきたいと考えております。

我々、既存の組織は移ってこなくても結構だとは言いませんけれども、移ってこられた
ほうがいいのでありますが、今回、提案しているのは、既存の組織ではなくて、新しい組
織、新しい拠点の設置でありますので、いわば今までの主張とそごがないものと考えます。
できれば広域連合の防災部門といたしましても、本格的にこのような防災拠点の関西にお
ける設立につきまして、研究会等を設置して研究を始めることが必要なのではないか、今、
内部的に検討を進めているものでございます。

○松田一成議員
国がなかなかというお話も今、あったわけでございますが、やはり双
眼構造の問題にしても、やはり関西にこういうものがないと、東京一極集中の中で何でも
できるわけではありません。私はこの防災庁の関西の設置においては、これから関西広域連合と事務方の要望ということだけではなくて、やはり与党を中心とした国会議員にこういうことをしっかり踏まえて、要望しなければなかなか動かないんだろうと思いますので、しっかり我が党としても働きかけをしてきたいと思います。連合長としても一緒になって、何とか早く道しるべがつけられたらと、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

以上で、質問を終わります。ありがとうございました。